まいにちコツコツ抜け道さがし。

Something Neutral

大切なのは思いやり。日々のあれこれを多角的に考えるブログです。

お世話になった先輩が辞めるそうだ。業務過多が問題だが、上司はそれを「逃げ」と思っている。

同じ部署の先輩が会社を辞めるらしい。

なんとなく雰囲気でわかってたけど、昨日本人から辞めることを伝えられた。

僕にとっては同じ部署の最初の先輩だったから非常にお世話になった。性格も面倒見の良いタイプで社内外からも好かれていて、営業としても頼られている人だった。

 

そんな先輩が辞めるという。

 

最初、聞いたときすぐに理由は察しがついた。仕事と家庭のバランスだろうなと。

 

実は昨年も同じようなことがあったんだ。

奥さんも共働きで子供もまだ保育園にもかかわらず、毎日遅くまで残業して、休日も出張で出勤することが多々あった。それで両立が難しかったそうなんだけど、その時は3か月ほどの長期休暇を取得していた。

詳細なことは聞きづらくて聞いてないんだけど、その時辞めたいということも伝えてたそうだ。しかし、とりあえず休んで1年続けることを決めたそう。

 

休暇から復帰して社内の体制は大きく変わった。

先輩の持っている得意先の多くは振り分けられ(といってもほとんど僕)、販促も兼務してたからそれも担当を変えた。そして、基本は社内で営業の援護、担当は市内数か所だけ。定時上がりが鉄則だった。

 

でもそれが続いたのはせいぜい最初の2か月だろう。今度は先輩の代わりに販促を任された後輩が長期休暇に入ったからだ。

うちの販促っていうのはかなり特異で、業務量が多い。しかも、人員は東西で一人だけ。営業も兼務しなければいけない。そもそも先輩が休暇に入ったのもそれまで担当が2人だったのが1人に減って、業務量が膨らみすぎたのが問題だった。なのにもだ。同じ問題を後輩にも起こさせてしまった。

後輩は休暇明けに販促を外れ、今度はまた先輩の元へ戻ってきた。

 

そして営業だ。最初の理由は営業手当を付けたほうが得だから。部長は先輩に営業をさせてかったみたいで、少なかった担当を他の課員並みに増やした。

聞けば「今思えばそれが魔への入り口だったかもな」って。

気づけば、地方の担当が増え、決算明けには振り分けた担当がほぼ元通りになった。理由はほかの人には経験がない得意先だったり、複雑なとこだったりいろいろ理由はわかるんだけど、最初の決めごとってなんだったんだろうなって。

最初は出張もしないだったのに、日帰りならありになって、ついには休日出勤、宿泊伴う出張まで何でもあり。

 

そうして、仕事量は休暇前より増えてしまった。なぜか定時内で終わらせられるようにと任された社内の仕事は残ったままだったから。

ついでに毎月第2水曜日は子供の迎えに行かなくてはいけないと上司に相談してたのにそれも2か月くらいで聞かなくなった。

 

明らかに業務過多だし、SOSを出した人間にやらせる仕事ではない。普通に考えて上司の思慮が浅すぎだし、辞める直前まで行って何とか引き留めたのに忘れるのが早すぎる。決してどうでも良い人間ではないのは明確で、必要ともされていたのに。搾取だけして、見返りを与えないのはどう見ても残虐すぎる。改善すべきなのは後輩の僕から見ても当然抱く思いだ。

 

っていうことを昨年先輩に言ったら「そんなこと言ってくれるのはお前だけだよ」って。なぜ上司はそんな当然のことを気に掛けることができなかったのだろうか。

 

この前飲み会があって、僕は先輩が辞めるのを知らなかったんだけど、上司はもう聞いていて、それとなく部長とそんな話をしていた。

部長が「どう思う?」と聞くと、上司が「僕は逃げだと思いますね」と答えた。僕らの前だったから主語は控えて内容の明言はしなかったけど、それまでの雰囲気で先輩のことだというのは察しがついた。そのときすごくモヤモヤしてたんだけど、今日その正体がわかった。

 

先輩が辞めるということについて「逃げ」と言い切ってしまうのは、上司や部長にとってその人は自分に利益をもたらしてくれる人であって、そうでなくなった瞬間、必要ではないのだということ。そして自分たちのコミュニティから離れる人に対して、「逃げた」と称して自分を勝ちとし、「逃げた」人を負けとしているつもりだろうか?

先輩が目の前の壁から逃げているというよりは自分たちの優位性をアピールするために周りに言い放っているようにしか見えない。極めて自己中心的な言葉に聞こえた。

これまで一緒に働いてきた仲間を形容する言葉ではない。

 

そもそもなんだけど「逃げる」ことが悪いことなのか。大きな壁は必ずしも乗り越えなければならないのではなく、時として迂回したほうがいいかもしれないし、別の道のほうが低い壁で早く目的地に到達できるかもしれない。

それに目的地も必ずしも仕事だけではなく、先輩にとっては家庭だったようで、誰しもが同じではない。自分の価値観を他人に押し当てるのは無理がある。

 

そのことを上の人はわかっているのだろうか?日々売上とか計画とかに囚われすぎて周りにある道に気づいていないんじゃないだろうか?それに気づけた先輩は少なくともその上司と部長よりは優れている。

 

こういう価値観の持ち主が上の立場にいると厄介だ。

きっと先輩が辞めたらその穴は今いる人員で補てんしようとする。方法は簡単だ。今までの2倍すればいいのだ。終わらない仕事は残業で解決できる。もし万が一にもできないヤツがいれば、そいつは逃げたということで、弱者の烙印を押して、自分のプライドを保てばいい。そして強いヤツだけを仲間に入れる。

 

馬鹿だな。

 

本来は休暇に入る前に、フォローしなくてはいけなかった。でもしなかった。そして繰り返した。

業務を定時に終わらせるという価値観は薄く、今まで自分たちもそうしてきたからと、残業を良しとして押し付ける。結果はすでにわかっているけど。

 

 

先輩は自宅から近くの役所で4月から公務員になるそうだ。

次の担当だか、引継ぎだか、そんなことばかり考えて、ワークスタイルについては全く上の空の上司からすれば、先輩の判断は100%正しい。