まいにちコツコツ抜け道さがし。

Something Neutral

大切なのは思いやり。日々のあれこれを多角的に考えるブログです。

もうこのご時世、定価で販売して売れているお店なんかあるのかって話。

最近はインターネットの進歩と普及で恐ろしく、ECが売上を伸ばしている。一人一台スマホを持っている時代だから誰しもがスマホ画面でポチるだけで商品が明日には手元に届く。ちょー便利な時代になったものだ。いや、ほんまに。(しみじみ)

 

たかが26歳だけど、この20年でネットって大きく変わったよなぁ。

特に小売りなんて昔みたいにほしい商品探して何店舗も回る必要はなく、ネットでポチるだけで、検索かけるだけでほしい商品がみつかる。少々レアな商品でもいくらでもでてくる。だから基本的に同じ商品であれば価格勝負になる。ラインナップは無限で、各店にストックする必要はない。壮大な容積をもつ倉庫から売れたタイミングで出荷すればいいだけだから。

 

サイバーマンデーとかお買い物マラソンとか2割引は当たり前で、さらにどのくらいお得に見せるかが購買の決め手になっている。ポイント還元、ギフト券、セット割等々・・・。

そんなこんなで消費者も割引は当たり前っていう感覚が根付いている。実際、全品定価売りしているお店があったとして、僕らは必ず「高い」という感覚が芽生えるだろう。ともすれば5%オフですら特別感はない。

ちなみに定価の意味はご存知だろうか。

 

ある品物について前もって決めてある売り値。

引用:定価(テイカ)とは - コトバンク

 

うん。常識。

でも近頃はこの定価すら使われていないことが多い。なぜなら定価は実は値引きができない価格で、値引きがなされているのは希望小売価格と表記されているからだ。

この希望小売価格はメーカーがつけるもので、独占禁止法に抵触しないように「希望」という含み(遠慮)を持たせているわけだけど、それでもメーカーはこの希望小売価格を基準に考えてモノを作っている。なぜなら、流通経路としては業界は違えどBtoCの商品はメーカー→(問屋)→小売り→消費者になっている。そしてこのメーカーから問屋もしくは小売りへの卸値はこの希望小売価格を軸に掛け率を決めている。(希望小売価格1,000円で掛け率50%なら500円で卸して利益を得ている)だから通常品の値引きっていうのは基本的に商品の価値が下がっているのではなく、小売業の利益を削った努力であろう。(アウトレットとかはまた別)

 

でもそれが消費者にとっては前提になっているのだ。

一消費者としては安いのはすごくうれしいんだけど、トータルで考えると日本の行く先は大丈夫かってならない?

 

最初に書いたように同じ商品なら極端に安いお店に消費者は流れていく。安いお店は利益がじり貧になっていく。もちろん希望小売価格、5%引きなんかで売っているお店は淘汰されていく。

値引きっていうのは諸刃の剣だ。ネットの普及で価格比較が容易になった今日では安くすればするほど売り上げは伸びるだろう。売上高を伸ばすのは容易だが、手元に残る利益は低い。それに一度安いと認識されると再び通常価格で買ってもらうのは難しい。

ちなみに僕は安っぽいイメージがあるからアディダスが嫌いなんだけど、それは昔、値引き販売が当たり前でホームセンターとかでも低価格で売られていたからなんだよね。いわば安っぽい。安売りっていうのはブランド力の低下っていう弊害もある。(ご存知の通りそれからアディダスはブランド力回復に努めているわけだけど、僕にはいまだにこのころの印象が抜けきらない)

 

商品の価値は下がってないのに需要にフィットさせるため値引きをする。資本主義だからある程度仕方ないんだけど価格競争のスパイラルから逃れられないのは危険な気がする。Amazonなんてほぼすべての商品が安い。

もちろんネットの価格競争は店舗にも波及する。家電業界はネット価格に合わせてからどこまで値引きできるかが焦点になっている。ポイント還元、アフターサービス、あの手この手で購買動機を刺激してくる。消費者の焦点は安いか、お得かそれだけ。店舗の特徴なんてのはどんどん薄れてくる。正直、ビックカメラだろうがエディオンだろうがどこで買ってもいいんだな。比較するのは価格。値切る常套句は、「〇〇電機では△円でしたけど・・・?」

 

じゃあ、希望小売価格で買うっていうのはどういうときだろう。

一番に思い浮かんだのは自販機。この価格はほとんど希望小売価格だ(たまに安いのあるけど)。自販機の最大のメリットは手軽だということ。価格も質量保存の法則みたいなものがあると思う。自販機の売価には手軽さ、便利さが価格になってプラスされている。

つまり、希望小売価格(通常価格)=消費者の考えるモノの価値+便利さ、手軽さなのだ。

でもすでに述べたとおり、希望小売価格とは販売側(メーカー、問屋、小売り)の意図するモノの価値なのだ。

すると売り手と買い手で認識している商品の価値観に大きなギャップがある。このギャップをすり合わせない限り、売上高だけで儲からない、規模は大きいけど貧しい市場になっていくんじゃないかと思う。

 

 

すり合わせと言っても売り手の価値観に合わせる(完全定価販売)か消費者の価値観に合わせる(希望小売価格を下げる)ことくらいしかないんだろうけどね。前者は競合他社にパイを埋められるだろうし、後者は真面目に通常価格を守っているところから反感食らうだろう。特に値引きなんて体力があり、かつトータルで利益(じり貧にはなるけど)を出せる大手企業だけだろうから。

 

また自販機の場合、便利さ、手軽さが価格に上乗せされて通常価格での販売が成り立っていると言ったけど、正確にはこの程度の付加価値では埋め合わせはできない。あくまで自販機は瞬間的な購買意欲を満たすためのもので、通年継続してストックしている飲み物は安いスーパーで買う。もうここまで値引きが横行すると接客や店のコンセプトで値引き分の価値を生み出すのは不可能に近いんじゃないかと思う。

具体的に言えば、モノにもよるけど家電なら10%引きは普通、20%超えてやっと心動かされる程度じゃないだろうか。それだけ利益を削っているのに。

 

どこかで歯止めをかけなくてはいけない。Amazonでセールされているブランドはどこかで決断しなくてはいけない。

薄利多売でじり貧になるか、何らかの方法で利益を上乗せしていくか。後者には売上高すら獲れないリスクも孕んでいるけど。