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Something Neutral

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鉄腕ダッシュの「グリル厄介」。外来種駆除の目的が種の保全でなく、エンターテイメントになってないですか?

鉄腕ダッシュで外来種のタイワンハブを捕獲して、食べてしまうという企画をやっていたのを見ました。最近はこの手の「外来種を駆除して、在来種を守ろう」的なテレビ企画が多い気がします。ほら、テレ東の『池の水ぜんぶ抜く』とか。流行りなんですかね?こういう趣旨の番組。

でも僕はどうしても違和感があるんですよねぇ。

 

在来種のホンハブを見つけて、「なんだタイワンハブじゃない」とか、「これは在来種だから逃がしましょう」。挙句の果てには「タイワンハブは狂暴で毒性が強い」とか。ホンハブも猛毒を持つのに。

それからもっともらしいデータを出して、沖縄でタイワンハブ増えたから、ヤンバルクイナなどの在来種の数が減ってしまうとか。どれもこれもタイワンハブを悪者にして、駆除されてしかるべきと結論付ける言いがかりにしかもう聞こえてこないんです。

 

ホンハブとタイワンハブの違いって何なんでしょうね?

 

同じハブと名の付く蛇なのにホンハブは保存、タイワンハブは駆除です。理由は簡単、在来種かそうでないかということ。

それこそが僕の感じた違和感の要因なんでしょうね。

たぶん台湾にいたらタイワンハブも在来種だし、アメリカにいたらアメリカザリガニも在来種です。カミツキガメもアリゲーターガーもブラックバスも原産国がある。生息地が違うだけで、本質的な命には違わない、なのに悪者にされて面白おかしく駆除される。

 

駆除自体は悪いことじゃないと思うんですよ。

固有の生態系ってデリケートなものだし、1つでも綻ぶとそこからなし崩しになる可能性もある。だから沖縄の自然を守るためにはある程度仕方がないことなのかなとも思います。環境保全に努められている方々の努力を踏みにじるつもりはさらさらありません。

 

でも気になることと言えば、駆除、殺害をエンターテイメントとして楽しんでいるということ。タレントが誇張して面白おかしく騒ぎ立て、それにエスカレートしていく視聴者っていうのが疑問でならないのです。

 

前述の『池の水ぜんぶ抜く』なんですけど、子供たちが喜んで外来種を捕まえて、ポイポイ隔離水槽へ投げ込んでいくのは教育上いいものなんですかね?副題として~生き物たちのSOS~というのも入っているんですけど、その生き物っていうのは在来種のことしか考えてません。僕からしたら「在来種を守るために悪者は殺してしまえ!」と言っているようにしか見えません。

証拠に視聴率はうなぎ上り、「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'17 / 第23回AMDアワード」においては審査員特別賞を獲得。日曜のゴールデンタイムに放送されていることから、家族団らんで見る番組っていうことだと思います。

さっきも書いたけど、在来種と外来種っていうのはどこに住んでいるかの違いでしかないんです。猛毒だとか狂暴だとかテレビが視聴者を煽るための口実でしかない。

 

本質を見ずに扇動のままに思い込んでしまうっていうのは非常に危険だと思うんですね。

 

そこで番組を見ながら、ふとナチスドイツのことを思い出しました。

ユダヤ人の大量虐殺っていうのは歴史上最悪の事件のひとつとも言えるわけですが、そのときドイツ人はユダヤ人を殺すことに何の痛みも感じてなかった。ヒトラーは巧みに言い続けます「ドイツが不況なのはユダヤ人のせいだ」、「ゲルマン人こそ崇高な民族だ」、「根絶やしにすることこそ正義だ」。でも戦争に敗れ、それは間違っていたということに気が付きます。ユダヤ人とドイツ人の違いなんてほとんどない。同じ人類でひとつの命。それはただドイツを統一するためのこじつけでしかなかった。

 

一緒にするのはとてもとても失礼であることかもしれません。

でもタイワンハブもホンハブも同じ蛇でハブ属なのです。命をいたずらに奪う番組があれば非難されて当然です。道徳的倫理観からも逸脱している。ただしそれは外来種駆除という大義名分があれば別の話。

 

外来種を殺すのを楽しむ子供に在来種を大切にする気持ちは育まれるのでしょうか?