イヴ・サンローラン
公開:2014年1月8日(フランス)
2014年9月6日(日本)
配給:SND(フランス)、KADOKAWA(日本)
監督:ジャリル・レスペール
キャスト:ピエール・ニネ、ギヨーム・ガリエンヌ、シャルロット・ルボン
あらすじ
世界でも有名なデザイナーイヴ・サンローラン。この映画はブランドの共同設立者、そして恋人でもあるピエール・ベルジェから見た彼の物語である。
クリスチャン・ディオールに類いまれな才能を見出され、21歳にしてその亡き跡を継ぐことになったサンローラン。華々しいデビューを飾ったはずだったが、兵役により精神を病んでしまいディオール社から切られてしまう。しかし、彼は自由なデザインをしたいという思いからベルジェとともに自分のメゾンを立ち上げることを決心する。
次々と画期的なデザインを世に送り出す一方で、アルコール、SEX、ドラッグに溺れていく。天才デザイナーの光と影の人生。
おちゃ的感想
☆☆(ふつうにおもしろい)
まずこの映画、ピエール・ベルジェとイヴ・サンローラン財団の全面協力を得ていること。ここがポイントです。
映画の内容は本当にリアリティがあります。決して良く見せようとか悪く見せようという感じはなく、ただイヴ・サンローランというデザイナーを忠実に映し出しています。
またベルジェ視点の映画であるため、恋心から来る嫉妬心やビジネスパートナーになってから自分の思い通りにならないサンローランへ苛立ちや苦悩が生々しく描かれています。
『イヴ・サンローラン』というブランドが好きな人が見たら賛否別れるんじゃないでしょうか?彼らの共依存関係は見方によっては「デザインに昇華されている」ともいえます。
と、言いましたが僕は申し訳ないけど賛否のどちらでもないです。
正直言うと嫁が『イヴ・サンローラン』好き(といってもリップです。安心してください服を買うお金はありません。)だったので、見てみようくらいの気概だったからです。
サンローランの感情は喜びよりも憂鬱、苦悩、嫉妬など負に侵されています。彼の作品が光だとすれば感情は影で、この映画は主に影に焦点を当てています。
そして感情をデザインに如何に結びつけてるか?ですが、肝心のデザインについて良く知らないのでいまいち腑に落ちませんでした(ファンの方申し訳ございません)。
だからこの作品はブランドについて一定の理解とデザイナーへの知識がある方は見るべきです。ただし、そうでなければ物語的にはぼやけた結末になるかと思います。
ただ、物語以外にも良かったことがあります。
それは音楽とファッションです。
もちろん天才デザイナーの話なので、ダサいのはナンセンスなんですが、その部分は抜けています。フランス映画では『アメリ』とか物語は真逆ですがそれに近いものがあると思います。明暗、色使い、役者の表情、服、これらが際立っています。
音楽も不安だったり、高揚だったり感情を見事に煽ります。そこはハマります。
☆は2個ですが、もし僕が『イヴ・サンローラン』のファンだったら5つだったでしょうね。
※当記事はすべて筆者の一所感(あらすじ含む)なので、公式サイトと差異があることをご了承ください。またご指摘、ご意見いただければ幸いです。